ウェブ時代をゆく

ウェブ時代をゆく ─いかに働き、いかに学ぶか (ちくま新書)

ウェブ時代をゆく ─いかに働き、いかに学ぶか (ちくま新書)

2008年に読む本の1冊目。

ウェブ進化論」の梅田望夫氏の最新刊。


dankogai氏が

しかし、「ウェブ進化論」の大ヒットにより、もはや梅田望夫は「コンサルタント」とか「はてなの取締役」だとかといった「皮」をかぶる必要はなくなった。その皮を完全に脱ぎ捨てて書いたのが本書である。これを褒めずにいられるだろうか。

http://blog.livedoor.jp/dankogai/archives/50943514.html

と絶賛しているかと思えば、池田信夫氏が

本書は、15分で読了した。何も新しいことが書いてないからだ。おまけに「リーダーシップ」だとか「ロールモデル」だとかいうありきたりな人生論が多く、ほとんど江原啓之化している。

http://blog.goo.ne.jp/ikedanobuo/e/c3fd47bcbacc477d63e978c9ad7f04ce

というように賛否両論だけど、僕はdankogai氏に同意。

というか、賛否両論を巻き起こし、「ウェブ時代を我々がどう生きていくべきか?」という議論に対して一石を投じることが著者のねらいじゃないだろうか?


著者は今までの人生を語り、それを1つのロールモデルとして提示してまで、そこに「『好き』を貫け、今の時代ならそれで幸福に生きていくことができる」という強烈なメッセージを込めている。

まるで「俺がここにこうして生きているのは、お前らにこれを言うためなんだ」と言わんがばかりである。それでいて押し付けがましくもなく、心にくる。

ただし、このメッセージは著者より若い世代に向けてのもの。だから池田氏の反応も当然かも知れない。彼は本書の読者対象外なのだ。


ただ、著者のアメリカ賛美と、オプティミズムに偏っている点だけは同意できないのだけれど。


以下、読書メモ。

  • 志向性の共同体(p.81)
  • 3つの言葉 (p.96)
    • Only the Paranoid Survive (病的なまでに心配性な人(paranoid)だけが生き残る)
    • Entrepreneurship (アントレプレナーシップ*1
    • Vantage Point (見晴らしの良い場所)
  • 「高速道路」の先には「大渋滞」が待っている、そのときどうするか?(p.100)
    • そのまま進んで大渋滞を抜ける「高く険しい道」
    • そこから降りて「けものみち」を行く
  • in the right place at the right time (正しいときに正しい場所にいる)(p.114)


読書課題、残り99冊。

*1:普通は「起業家精神」と訳すのだけれど、本来的なニュアンスが違う、と著者は指摘している。