第19回全国高等専門学校プログラミングコンテスト
遅くなってしまいましたが、プロコンのレポートです。
今年も観に行ってきました。会場は福島県いわき市のいわき明星大学。
上野から特急スーパーひたちで2時間だけど、家から上野まで1時間かかるし、思ったより遠かった・・・。
とはいえ参加者は全国の高専から来ていて、関東からってのは近い方ですけどね。
本当は1日目の午前中に会場入りするつもりだったのだけれど、寝坊した上に時間の見積もりを誤って、会場に着いたのは昼を過ぎてからでした。
課題・自由部門
全部見たわけではないですが、気になったものをいくつか。
BOOK・ON(米子)
独自に考案した円形のバーコード「サークルコード」を本の各ページに印刷し、USBカメラで読み取ることでページ送りや本の回転、またカメラに近づけることで拡大・縮小も実現できるシステム。
既存のQRコードなどでも回転はとれる気はするけれど、認識率では圧倒的にサークルコードの方が上でしょう。だってでかいし。これがどこまで実用的か僕にはよくわからないけれど、既存の要素技術でうまくはまるものがなければ、自分たちで作るという姿勢は近年のプロコンでは珍しく、素晴らしいと思います。
Space Flow(長野)
「フロー状態を体験するシステム」ということだけれど、iPhoneを入力デバイスとして用い、シューティングゲームのような画面を動き回ることながら、PC内の情報やRSSフィードを閲覧するという、言うなればブラウジングにゲーム性を取り入て楽しみながら作業ができることを目指したシステム。
システムの面白さで十分引きつけられるので、「フロー」という心理学用語はあまり前面に出さない方がよかったかも。でも個人的にはこういうのは好きです。
写動 -シャドウ-(詫間電波)
自分の手の影に動物が乗ったり、ボールが跳ねたり、影を使ったCGとのインタラクションを楽しむ、非常にメディアアートな作品。
2台のプロジェクタで補色となる映像を投影し、一方を手で遮ることで色付きの影を出す。
アイコンを隠すことで操作したり、ユーザーインタフェースとしても使えそう。
わんど -歩行者のための視覚補助ナビシステム-(小山)
ヘッドマウントディスプレイで視界に行き先を示す矢印を重ねて表示させる歩行者ナビゲーション。
行き先までの経路は既存のWebサービスを利用しているそうで、良い時代になったものだなあ。
競技部門
詳しいルールは公式ページを見てもらうとして、ざっくり言うと、フィールド上にいくつかの荷物置き場があり、トラックでその全ての荷物置き場を通りつつ、ガソリンをできるだけ節約しながら荷物をとるというゲーム。
単純に考えれば、最短経路をとりながら、できるだけ後の方で荷物をとった方がいいのだけれど、先に他のチームが取ってしまって荷物がなくなっている可能性もあり、そういったかけひきも求められるという、かなり難しいゲームです。
ところが、大変なことが起こってしまいました。
ターン毎に各チームがそれぞれのトラックの行動を主催者側で用意しているPCに入力し、サーバーでそれをシミュレートして結果を出すという進め方になっています。
しかし、1日目の予行演習時点から、舞台上に映されている行動結果の表示がおかしかったり、システムのトラブルが頻発・・・。
それでも都度修正*1したりしながら1回戦を終えたのですが、2日目になってなんと集計のミスが発覚したため、1日目に行われた1回戦の試合は無効となり、再度1回戦をやり直すことに。
しかし2回目の1回戦1試合目(ややこしくてスマソ)の終了後に検証した結果まだバグが残っていたようで、プロコン委員会はシステムの修正が困難とみて、これ以上の試合継続は不可能と判断、競技そのものを中止するという前代未聞の事態となってしまいました。
今回のシステムは学生が開発していたそうで、おそらくは開発の際のプロジェクト管理だとかリスクヘッジだとか、あまりうまくできていなかったのではないかと推測。
勝手な推測ですが、委員会側も学生に丸投げしていたんじゃないでしょうか。
事前に十分なテストをしていれば、「本番になってうまく動かない」ということは防げたはず。
それもしていなかったのだから「システムのせいで競技ができなかった」と開発した学生を責めることはできません。今回の責任は委員会側にあると思います。
今回のことで、リスク管理についていろいろと考えさせられました。
自分も今度からは寝坊を防ぐ手立てとか、寝坊してしまった場合のリカバリーについて考えておかなければ(ぉぃ