福井晴敏 「亡国のイージス」 上下

亡国のイージス 上 (講談社文庫)

亡国のイージス 上 (講談社文庫)

亡国のイージス 下(講談社文庫)

亡国のイージス 下(講談社文庫)

映画を観て原作が読みたくなったので、文庫本を買って読んだ。
とにかくボリュームがすごい! 上巻だけで552ページあり、本の厚さは2.3センチにもなる。それが上下巻なのだから、とにかく話が長いのである。
その長さにも関わらず、飽きずに読めてしまうのは作者の力量なんだろうな。護衛艦内の装備に関する専門用語もバカバカ出てくるのだが、それらについても丁寧に解説されているし、何よりも展開がどんどん変わって行くので退屈させられない。この人、すごいです。

ただ、やはり詰め込み過ぎの感は否めない。小説の分量としてはこれの半分〜3分の2ぐらいがちょうどいいのではないかな? もっと余計なエピソードを削ってスリム化して欲しかった。

僕はミリタリーノベルとかを読んだことはないのだけれど、話はすごく面白かった。
人情の塊のような仙石と、感情を押し殺して生きて来た(でもやっぱり生身の人間の)如月とのかけあいが、この小説を魅力的なものにしていると思う。

やはりというか、映画とは違う部分がかなりあった。特に後半部分は全く別の話になってしまってる。あまり書くとネタバレになるのでやめておきますが。

原作を読んでもやっぱりジョンヒの行動は謎だった(笑)僕には全く理解できません。

映画を観た人にはオススメです。
原作を読んでから映画観たら、つまらないだろうなあ・・・。