辻仁成 「サヨナライツカ」

結婚前に火遊びして、遊びのはすがいつか本気になってて、でも別れて、25年後に再び会って「本当は愛してた」っていうお話。
主人公豊と沓子が最初に出会ってから別れるまでが第1部、25年後に再会し、沓子が亡くなるまでが第2部。
構成はもうちょっと考えるべきだったんじゃなかろうか。そこで損しているように思う。


婚約者の光子を裏切って沓子と逢瀬を重ねる豊には、罪の意識が希薄だと思う。ただ光子にバレないようにすること、結婚までに沓子とキレイに別れることに苦心している姿が描かれている。
そして美しい話としてまとめられているのがなんとも、こういう不倫ってあるんだろうか? もしかして作者の願望?


ちょっときついコメントになってしまったけれど、感動できる小説ではあります。
ただ、浮気が許せない人は怒ってしまうかも知れません。