父親たちの星条旗

アメリカ市民の戦争に向ける心をまとめ、太平洋戦争の運命を決定した一枚の写真「硫黄島での国旗掲揚」、その写真の中の「6人の英雄」のうち帰還を果たした3名の兵士達。


彼らは帰国後、戦時国債の宣伝のためのツアーに駆り立てられ、行く先々で英雄として拍手喝采で迎えられ、その度に派手なパーティーやイベントが催される。


しかし彼らの胸中は複雑。
戦友たちがまだ戦地で戦っていることや、死んでいった戦友たちへの思い、星条旗の掲揚にまつわる伏せられた真実、そして、脳裏に焼きついて離れない硫黄島での戦闘の記憶。


戦闘シーンはとにかく凄惨、慣れていない人にはちょっと辛いかも・・・。


次々と兵士が銃弾に倒れる、負傷した兵士が裂けた腹から内臓が出るのを抑えながら助けを求めたり、爆弾で兵士の首が飛んで来たり、まさに地獄絵図。


あまりにも残酷なシーンには否定論もあるだろうけれど、しかしこういう残酷さを生み出すのが戦争というものだと思う。


イーストウッド監督は戦争の生み出す残酷さや欺瞞といったものをありのままに描こうとしているように感じた。


硫黄島戦を日本側の視点で描いた12月公開の「硫黄島からの手紙」が今から非常に楽しみ。