ロバート・ニュートン・ペック「豚の死なない日」

読了。中学のときに読書感想文のために読んだことがあって、昨年末にブックオフで見かけて懐しくなって買ったもの。

いろんなエピソードがある中で特に印象に残ったのが、豚のピンキーを殺す場面。

ピンキーはロバート少年が隣人のタナーさんからもらって大切に育てていた豚で、ピンキーについて語る文章からはロバート少年のピンキーに対する愛情が溢れ出ている。
ピンキーの不妊症と一家の貧しさから、飼い続けることができなくなったために殺すことになったのだ。
育てられなくなった家畜やペットは飼主の手で死なせてやるのが責任というものだ。けれど、この場面はとても悲しい。

きっといろんな悲しみや辛さを乗り越えて、人は少しずつ大人になるのだろう。

ロバート少年の一家は貧しいけれど、たくさんの動物や良き隣人に囲まれ、幸福な暮らしを送っていてとてもうらやましい。
父ヘイヴンは、教育は受けていないが、誠実で穏やかで、仕事の豚の解体を誰よりも良くこなし、そしてロバート少年にいろいろなことを教えてくれる。
ちなみに物語の題名はこのヘイヴンが死んだ日のことで、ちょうどこの仕事が休みで豚が死なない日だったことから。
ヘイヴンの死で物語は終わるのだけれど、思わず涙がこぼれた。理想の父親だと思う。

というわけで、2回目の読書感想文でした。